![]() ポリプロピレン/ポリイソブチレン混合物およびこれから作られたフィルム
专利摘要:
ポリプロピレンとポリイソブチレンの混合物から作られたフィルムであって、このフィルムが示す伸縮力は、ポリイソブチレンが存在しない他は同様に作られたフィルムが示すそれに比べて約5%から200%低い。フィルムの製造方法であって、この方法は、ポリプロピレンとポリイソブチレンを接触させることで重合体混合物を生じさせ、前記重合体混合物を成形してフィルムを生じさせ、そして前記フィルムを配向させることを包含する。 公开号:JP2011511865A 申请号:JP2010546031 申请日:2009-02-06 公开日:2011-04-14 发明作者:スン,ルイ;リー,フエンクイ 申请人:フイナ・テクノロジー・インコーポレーテツドFina Technology, Incorporated; IPC主号:C08J5-18
专利说明:
[0001] 本開示は、製造特性を向上させた重合体混合物に関する。より具体的には、本開示は、ポリプロピレンとポリイソブチレンの混合物およびこれから作られたフィルムに関する。] 背景技術 [0002] 合成重合体材料、特にポリプロピレン樹脂は医学器具から食品用容器に及ぶ範囲の多様な最終使用製品の製造で幅広く用いられている。いろいろな産業、例えば包装産業などでは、様々な最終製品を作り出す目的でそのようなポリプロピレン材料を多様な製造工程で用いている。] [0003] 包装産業には、理想的には軟質重合体が要求される数多くのユニークな用途が存在する。製造業者はより容易に引き伸ばし可能な重合体配合物を開発し続けており、そのことは、エネルギー消費量が低いことおよびライン速度が速いことなどの要因の結果として製造効率が改善されると解釈することができるであろう。この上で行った考察を前提として、使用者が好む機械的および/または物理的特性を維持しながら柔軟性および加工の容易さが向上した重合体組成物を開発することができれば、これは好ましいことである。] [0004] 要約 本明細書では、ポリプロピレンとポリイソブチレンの混合物から作られたフィルムを開示し、このフィルムが示す伸縮力は、ポリイソブチレンが存在しない他は同様に作られたフィルムに比べて約5%から200%低い。] [0005] 本明細書ではまたフィルム製造方法も開示し、この方法は、ポリプロピレンとポリイソブチレンを接触させることで重合体混合物を生じさせ、前記重合体混合物を成形してフィルムを生じさせそして前記フィルムを配向させることを含んで成る。] 図面の簡単な説明 [0006] 本開示および本開示の利点の理解をより完璧にする目的で、ここに、以下の簡単な説明を添付図および詳細な説明と関連させて言及するが、同様な参照番号は同様な部分を表す。 図1は、実施例1で得たサンプルが示した縦方向降伏応力をオーブン温度の関数としてプロットした図である。 図2は、実施例1で得たサンプルが140℃の温度で示した縦方向伸縮力を時間の関数としてプロットした図である。 図3は、実施例1で得たサンプルが160℃の温度で示した縦方向伸縮力を時間の関数としてプロットした図である。 図4は、実施例1で得たサンプルが示した45゜の光沢を製造温度の関数としてプロットした図である。 図5は、実施例1で得たサンプルが示したヘイズパーセントを製造温度の関数としてプロットした図である。] 図1 図2 図3 図4 図5 [0007] 詳細な説明 1つ以上の態様の例示実施を以下に示すが、その開示するシステムおよび/または方法は現在公知であるか或は現存するかに拘わらずいろいろな技術を用いて実施可能であると最初に理解されるべきである。本開示を決して以下に例示する例示実施、図および技術(本明細書に例示および記述する典型的なデザインおよび実施を包含)に限定すべきではなく、添付請求項の範囲内に加えてそれらの相当物の完全な範囲内であるならばそれを改変することも可能である。] [0008] 本明細書では、ポリプロピレンとポリイソブチレンを含有して成る重合体混合物の製造方法を開示する。本明細書では以降、それをPP/PIB混合物と呼ぶことにする。このPP/PIB混合物を用いて二軸配向ポリプロピレン(BOPP)フィルムを本明細書の以下に詳細に記述する方法で製造することができる。] [0009] 1つの態様において、本重合体混合物はポリプロピレンホモ重合体または高結晶度のポリプロピレンホモ重合体を含有して成る。そのようなポリプロピレンホモ重合体を本PP/PIB混合物中にPP/PIB混合物の総重量の60重量%から99重量%または80重量%から98重量%または85重量%から97重量%の量で存在させてもよい。] [0010] 1つの態様におけるポリプロピレンはホモ重合体であるが、しかしながら、約5%以下であるならばホモ重合体が別のアルファ−オレフィンを含有していてもよいことを条件とし、そのようなアルファ−オレフィンには、これらに限定するものでないが、C2−C8アルファ−オレフィン、例えばエチレンおよび1−ブテンなどが含まれる。そのような他のアルファ−オレフィンが少量存在し得るとしても、そのようなポリプロピレンを一般にポリプロピレンホモ重合体と呼ぶ。本開示で用いるに適したポリプロピレンホモ重合体には、当該技術分野で公知の如何なる種類のポリプロピレンも含まれ得る。例えば、そのようなポリプロピレンホモ重合体はアタクティックポリプロピレン、イソタクティックポリプロピレン、ヘミ−イソタクティック、シンジオタクテックポリプロピレンまたはこれらの組み合わせであってもよい。重合体が有するペンダント型基が重合体鎖の両側に無作為な様式で配列している時のそれは“アタクティック”である。対照的に、重合体が有するペンダント型基の全部が鎖の同じ側に配列している時のそれは“イソタクティック”であり、そして重合体が有するペンダント基が鎖の相対する側に交互に存在する時のそれは“シンジオタクテック”である。ヘミ−イソタクティック重合体では、繰り返し単位が有する置換基が1つおきに無作為である。] [0011] 1つの態様において、本開示で用いるに適したポリプロピレンが示す密度は、ASTM D1505で測定して、一般に0.895g/ccから0.920g/ccまたは0.900g/ccから0.915g/ccまたは0.905g/ccから0.915g/ccであり得る。1つの態様において、本開示で用いるに適したポリプロピレンが示す溶融質量流れ速度(melt−mass flow rate)は、ASTM D1238で測定して、一般に0.5g/10分から15.0g/10分または1.0g/10分から5.0g/10分または1.0g/10分から3.0g/10分であり得る。1つの態様において、本開示で用いるに適したポリプロピレンが示す引張り係数は、ASTM D638で測定して、一般に200,000psiから320,000psiまたは220,000psiから320,000psiまたは250,000psiから320,000psiであり得る。1つの態様において、本開示で用いるに適したポリプロピレンが示す曲げ弾性率は、ASTM D790で測定して、一般に170,000psiから300,000psiまたは190,000psiから300,000psiまたは220,000psiから300,000psiであり得る。1つの態様において、本開示で用いるに適したポリプロピレンが示す溶融温度は、示差走査熱量法(DSC)で測定して、一般に150℃から170℃または155℃から170℃または160℃から170℃であり 得る。] [0012] 本開示で用いるに適したポリプロピレンの一例には、これらに限定するものでないが、Total Petrochemicals USA,Inc.から商業的に入手可能なポリプロピレンホモ重合体であるTotal Petrochemicals 3365が含まれる。このポリプロピレンホモ重合体(例えばTotal Petrochemicals 3365)は一般に表1に示す物性を示し得る。] [0013] ] [0014] 別の態様におけるポリプロピレンは高結晶度のポリプロピレンホモ重合体(HCPP)であり得る。このHCPPは主にイソタクティックポリプロピレンを含有し得る。重合体が示すイソタクティック性の測定はメソペンタドを用いた13C NMR分光法で実施可能であり、それをメソペンタドのパーセント(%mmmm)として表すことができる。本明細書で用いる如き用語「メソペンタド」は、重合体鎖の同じ側に位置する連続的メチル基を指す。1つの態様におけるHCPPが示すメソペンタドパーセントは97%以上または98%以上または99%以上である。] [0015] そのようなHCPPはアタクティックもしくは非晶質重合体をある量で含有する可能性がある。その重合体が有するアタクティック部分はキシレンに可溶であり、従ってそれをキシレン可溶画分(XS%)と呼ぶ。XS%の測定では、当該重合体を沸騰キシレンに溶解させた後、その溶液を0℃に冷却すると、結果として当該重合体のイソタクティックまたは結晶性部分が沈澱を起こす。XS%は、冷キシレン中に溶解したままである部分を元々の量と対比させたパーセントである。従って、重合体中のXS%は生じた結晶性重合体の度合の指標である。重合体の総量(100%)はキシレン可溶画分とキシレン不溶画分の合計である。XS%の測定方法は当該技術分野で公知であり、例えばXS%はASTM D5492−98に従って測定可能である。1つの態様におけるHCPPが示すキシレン可溶画分は1.5%未満または1.0%未満または0.5%未満である。] [0016] 1つの態様において、本開示で用いるに適したHCPPが示す密度は、ASTMD1505で測定して、一般に0.895g/ccから0.920g/ccまたは0.900g/ccから0.915g/ccまたは0.905g/ccから0.915g/ccであり得る。1つの態様において、本開示で用いるに適したHCPPが示す溶融質量流れ速度は、ASTM D1238で測定して、一般に0.5g/10分から15.0g/10分または1.0g/10分から5.0g/10分または1.0g/10分から3.0g/10分であり得る。1つの態様において、本開示で用いるに適したHCPPが縦方向(MD)に示す割線係数は、ASTM 882で測定して、一般に350,000psiから420,000psiまたは380,000psiから420,000psiまたは400 ,000psiから420,000psiであり得る。1つの態様において、本開示で用いるに適したHCPPが横方向(TD)に示す割線係数は、ASTM 882で測定して、一般に600,000psiから700,000psiまたは620,000psiから700,000psiまたは650,000psiから700,000psiであり得る。1つの態様において、本開示で用いるに適したHCPPがMDに示す破壊時引張り強度は、ASTM 882で測定して、一般に19,000psiから28,000psiまたは22,000psiから28,000psiまたは25,000psiから28,000psiであり得る。1つの態様において、本開示で用いるに適したHCPPがTDに示す破壊時引張り強度は、ASTM 882で測定して、一般に33,000psiから39,000psiまたは35,000psiから39,000psiまたは37,000psiから39,000psiであり得る。1つの態様において、本開示で用いるに適したHCPPがMDに示す破壊時伸びは、ASTM 882で測定して、一般に125%から155%または130%から150%または135%から145%であり得る。1つの態様において、本開示で用いるに適したHCPPがTDに示す破壊時伸びは、ASTM 882で測定して、一般に45%から65%または50%から60%または50%から55%であり得る。1つの態様において、本開示で用いるに適したHCPPが示す溶融温度は、DSCで測定して、一般に160℃から170℃または162℃から170℃または165℃から170℃であり得る。1つの態様において、本開示で用いるに適したHCPPが示す光沢値(45゜)は、ASTM D2457で測定して、一般に80から90または85から90または88から90であり得る。1つの態様において、本開示で用いるに適したHCPPが示すヘイズ値は、ASTM D1003で測定して、一般に0.5%から1.5%または1.0%から1.5%または1.0%から1.2%であり得る。1つの態様において、本開示で用いるに適したHCPPが示す水蒸気透過速度(100度F、90%R.H g・ミル/100平方インチ/日)は、ASTM F1249−90で測定して、一般に0.200から0.300または0.200から0.250または0.200から0.205であり得る。] [0017] 本開示で用いるに適したHCPPの一例には、これらに限定するものでないが、Total Petrochemicals USA,Inc.から商業的に入手可能なHCPPであるTotal Petrochemicals 3270が含まれる。このHCPP(例えばTotal Petrochemicals 3270)は一般に表2に示す物性を示し得る。] [0018] ] [0019] 1つの態様では、前記ポリプロピレンにまた所望の物性、例えば印刷性、光沢の向上またはブロッキング傾向の低下などを与える添加剤を含有させることも可能である。添加剤の例には、これらに限定するものでないが、安定剤、紫外線遮蔽剤、酸化剤、抗酸化剤、帯電防止剤、紫外光吸収剤、難燃剤、加工油、離型剤、着色剤、顔料/染料、充填剤および/または当業者に公知の他の添加剤が含まれる。上述した添加剤を単独または組み合わせのいずれかで用いることでいろいろな重合体配合物を生じさせることができる。例えば、重合体樹脂が過度の温度および/または紫外光にさらされることで起こす劣化からそれを保護する補助で安定剤もしくは安定化用作用剤を用いてもよい。場合により、PP、PIBまたはPP/PIB混合物に添加可能なそのような添加剤を所望特性を与えるに有効な量で含有させてもよい。そのような添加剤を重合体組成物に含有させるに有効な添加剤量および方法は本開示を補助にすることで当業者に明らかになるであろう。本組成物に存在させる添加剤の総量は例えば200ppm(parts per million)から20000ppmまたは500ppmから10000ppmまたは500ppmから5000ppmの範囲であり得る。] [0020] ポリプロピレンの製造は通常の当業者に公知の適切な方法のいずれかを用いて実施可能である。ポリプロピレンの製造は例えばチーグラー・ナッタ触媒、メタロセン触媒またはこれらの組み合わせを用いることなどで実施可能である。] [0021] チーグラー・ナッタ触媒を用いてポリプロピレンを製造することができ、チーグラー・ナッタ触媒は典型的にチタンと有機金属アルミニウム化合物、例えばトリエチルアルミニウム(C2H5)3Alなどが基になっている。チーグラー・ナッタ触媒およびこの触媒を生じさせる方法は当該技術分野で公知であり、それの例が米国特許第4,298,718号、4,544,717号および4,767,735号(これらは各々引用することによって本明細書に組み入れられる)に記述されている。] [0022] 別法として、メタロセン触媒を用いてポリプロピレンの製造を行うことも可能である。 メタロセン触媒は、一般に、1種以上のシクロペンタジエニル(Cp)基(これは置換されているか或は置換されていなくてもよく、各置換基は同じまたは異なってもよい)が組み込まれていてそれが遷移金属にπ結合を通して配位している配位化合物であるとして特徴付け可能である。メタロセン触媒およびこの触媒を生じさせる方法の例が米国特許第4,794,096号および4,975,403号(これらは各々引用することによって本明細書に組み入れられる)に記述されている。メタロセン触媒を用いて製造されたポリプロピレンの例が米国特許第5,158,920号、5,416,228号、5,789,502号、5,807,800号、5,968,864号、6,225,251号、6,777,366号、6,777,367号、6,579,962号、6,468,936号、6,579,962号および6,432,860号(これらは各々引用することによって本明細書に組み入れられる)に更に詳細に記述されている。] [0023] また、ポリプロピレンの製造を他のいずれかの方法で行うことも可能であり、例えばチーグラー・ナッタ触媒とメタロセン触媒の組み合わせなどを用いて行うことも可能であり、例えば米国特許第7,056,991号および6,653,254号(これらは各々引用することによって本明細書に組み入れられる)に記述されているようにして行うことができる。] [0024] ポリプロピレンの製造は、プロピレンを単独で触媒(例えばチーグラー・ナッタ、メタロセンなど)の存在下の適切な反応槽にそれの重合に適した反応条件下で入れることで実施可能である。プロピレンを重合させて重合体を生じさせるに適した標準的な装置および方法は当業者に公知である。そのような方法には、液相、気相、スラリー相、バルク相、高圧方法またはこれらの組み合わせが含まれ得る。そのような方法は米国特許第5,525,678号、6,420,580号、6,380,328号、6,359,072号、6,346,586号、6,340,730号、6,339,134号、6,300,436号、6,274,684号、6,271,323号、6,248,845号、6,245,868号、6,245,705号、6,242,545号、6,211,105号、6,207,606号、6,180,735号および6,147,173号(これらは引用することによって全体が本明細書に組み入れられる)に詳述されている。] [0025] 1つの態様では、気相重合方法を用いてポリプロピレンを生じさせる。気相重合方法の一例には連続循環系が含まれ、その場合には、循環する気体流れ(他に再循環流れまたは流動媒体としても知られる)を反応槽内で重合熱によって加熱する。前記反応槽の外部に位置させた冷却装置によって、そのサイクルの別の部分の中を循環する気体流れを用いてその熱を除去する。1種以上の単量体が入っている循環する気体流れを触媒存在下の流動床に通して反応条件下で連続的に循環させてもよい。その循環する気体流れを一般に前記流動床から取り出して前記反応槽に再循環させて戻す。それと同時に重合体生成物を前記反応槽から取り出してもよく、そして重合した単量体の代わりに新鮮な単量体を添加してもよい。気相工程における反応槽の圧力は100psigから500psig、または200psigから400psig、または250psigから350psigに及んで多様であり得る。気相工程における反応槽の温度は30℃から120℃、または60℃から115℃、または70℃から110℃、または70℃から95℃などに及んで多様であり得る(例えば、米国特許第4,543,399号、4,588,790号、5,028,670号、5,317,036号、5,352,749号、5,405,922号、5,436,304号、5,456,471号、5,462,999号、5,616,661号、5,627,242号、5,665,818号、5,677,375号および5,668,228号(これらは引用することによって全体が本明細書に組み入れられる))。] [0026] 1つの態様では、スラリー相重合方法を用いてポリプロピレンを生じさせる。スラリー相方法は、一般に、固体粒子状重合体が液状の重合用媒体に入っている懸濁液を生じさせ てそれに単量体および場合により水素と一緒に触媒を添加することを包含する。その懸濁液(希釈剤を入れておいてもよい)を断続的または連続的に前記反応槽から取り出し、揮発性成分を重合体から分離しそして場合により蒸留を実施した後に前記反応槽に再循環させてもよい。その重合用媒体に入れて用いる液化希釈剤には、C3からC7アルカン(例えばヘキサンまたはイソブタン)が含まれ得る。その用いる媒体は一般に重合条件下で液体でありかつ比較的不活性である。バルク相方法はスラリー方法のそれと同様である。しかしながら、ある方法はバルク方法、スラリー方法またはバルクスラリー方法であり得る。] [0027] 1つの態様におけるPP/PIB混合物はポリイソブチレンを含有して成る。ポリイソブチレンはC4炭化水素の重合体であり、これはまたブチルゴムまたは合成ゴムとしても知られ、無色から若干黄色の粘性のある液体である。ポリイソブチレンの製造は通常の当業者に公知の適切な方法のいずれかを用いて実施可能である。例えば、イソブチレンとイソプレンを重合させることでポリイソブチレンを製造することができる。その重合はラジカル重合、カチオン性付加重合またはアニオン性付加重合であり得る。その重合では適切な如何なる触媒および/または共触媒も使用可能であり、例えば三フッ化ホウ素錯体、四塩化チタン、四臭化チタン、四塩化バナジウムなどを用いることができる。添加剤および開始剤(例えばフッ化水素酸など)を用いることも可能であり、それらは当業者に公知である。ポリイソブチレン製造方法の例が米国特許第7,217,773 B2号、6,642,329 B1号、6,252,021 B1号、5,910,550号および5,191,044号(これらは引用することによって全体が本明細書に組み入れられる)に記述されている。] [0028] 本開示で用いるに適したポリイソブチレンには、分子量が異なる重合体の混合物が含まれ得る。1つの態様において、そのようなポリイソブチレンが示す数平均分子量(Mn)は500ダルトンから50,00ダルトンまたは800ダルトンから10,000ダルトンまたは800ダルトンから5,000ダルトンであり得る。更に、ポリイソブチレンを分子量分布の幅[これはまた多分散指数(PDI)とも呼ばれる]で特徴付けることも可能であり、それの計算は、重量平均分子量を数平均分子量で割ることで行われる(Mw/Mn)。1つの態様において、本開示で用いるに適したポリイソブチレンが示すPDIは1.1から5.0または1.1から3.0または1.1から2.0であり得る。] [0029] 1つの態様において、本開示で用いるに適したポリイソブチレンが100℃で示す粘度は、ASTMD445で測定して、100cStから1,000cStまたは150cStから500cStまたは200cStから235cStである。1つの態様において、本開示で用いるに適したポリイソブチレンが15.5℃で示す比重は、ASTM D1298で測定して、0.890から0.895または0.891から0.894または0.892から0.893である。1つの態様において、本開示で用いるに適したポリイソブチレンが示す屈折率は、ASTM D1218で測定して、1.493から1.495または1.494から1.495である。1つの態様において、本開示で用いるに適したポリイソブチレンが示すガラス転移温度は、−68から−70℃または−69℃から−70℃または−69.5℃から−69.8℃である。] [0030] 本開示で用いるに適したポリイソブチレンの例には、これらに限定するものでないが、British Petroleumから商業的に入手可能なポリイソブチレンであるINDOPOL H−100が含まれる。ポリイソブチレン(例えばINDOPOL H−100)は一般に表3に示す物性を示し得る。] [0031] ] [0032] 1つの態様では、本PP/PIB混合物に存在させるポリイソブチレンの量をPP/PIB混合物の総重量の1重量%から40重量%または1重量%から30重量%または1重量%から20重量%または1重量%から15重量%または1重量%から10重量%または1重量%から5重量%にする。] [0033] 1つの態様では、本PP/PIB混合物を用いて製品を生じさせるが、この製品はフィルムまたは二軸配向フィルムである。重合体組成物の配向は一般にフィルム中の重合体の配列に方向性(互いに対する分子の配向)を与える工程を指す。そのような配向を用いてフィルムに好ましい特性、例えばじん性および不透明性などを与える。本明細書で用いる如き用語「二軸配向」は、重合体組成物をガラス転移温度またはそれ以上の温度であるが結晶融点より低い温度に加熱する工程を指す。次に、加熱直後の材料を押出し加工してフィルムを生じさせた後、縦方向(即ち機械方向)と横もしくは側方向(即ちテンター方向)の両方に引き伸ばす。] [0034] 1つの態様では、本明細書に記述する種類のPP/PIB混合物を押出し加工機内で260℃に等しいか或はそれ以下の温度または180℃から250℃または200℃から230℃に加熱する。次に、その溶融させた重合体をダイスに通して出させてもよく、そしてその溶融状態のプラークを用いて押出し加工フィルム、キャストフィルム、二軸配向フィルムなどを生じさせることができる。1つの態様では、その溶融状態のプラークをダイスに通して出させた後、追加的引き伸ばし無しにローラーで巻き取ることで押出し加工フィルムを生じさせてもよい。別法として、溶融状態のプラークをダイスに通して出させた後、冷却用ローラーで巻き取りながら一軸方向に引き伸ばしてもよく、前記冷却用ローラーでそれを冷却することでキャストフィルムを生じさせる。] [0035] 1つの態様では、溶融状態のプラークをダイスに通して出させた後、重合体組成物(即ちPP/PIB混合物)を固化させる1番目のローラー(例えば冷却用ローラー)の上に通すことでフィルムを生じさせる。次に、前記フィルムを縦方向および横方向に引き伸ばすことで前記フィルムに配向を受けさせてもよい。縦方向の配向を一般に逐次的に位置させた2本のローラーを用いて達成する、即ち2番目(または速い方のローラー)を遅い方のローラーに関係させて所望配向比に相当する速度で作動させる。別法として、一連のローラーを用いてそれらの速度を高くして行くことで縦方向の配向を達成することも可能であり、時には、温度の制御および他の機能の目的で追加的中間ローラーを用いることも可能である。] [0036] 縦方向の配向を受けさせた後のフィルムを冷却し、予熱した後、横方向配向セクションに送ってもよい。その横方向配向セクションに例えばテンターフレーム機構などを含めてもよく、それで前記フィルムに横方向の応力を与える。そのような配向の後にアニーリングおよび/または追加的工程を実施してもよい。] [0037] 代替態様では、フィルムに両方向の応力を同時にかけることも可能である。1つの態様では、0.1MPaから50MPaまたは0.1MPaから20MPaまたは0.1MPaから10MPaの伸縮力を用いてフィルムの製造を行ってもよい。1つの態様では、フィルムに縦方向の配向を90℃から180℃または110℃から170℃または130℃から170℃の温度で受けさせた後に横方向の配向を90℃から180℃または110℃から170℃または130℃から170℃の温度で受けさせる。] [0038] 理論で範囲を限定することを望むものでないが、引き伸ばしによって与えられた分子配列が冷却時に結晶化と好ましく競合しそしてその引き伸ばされた重合体分子が凝縮して結晶ドメインが伸縮力の方向に整列している結晶網状組織が生じる。二軸フィルム製造に関する追加的開示を米国特許第4,029,876号および米国特許第2,178,104号(これらは各々引用することによって全体が本明細書に組み入れられる)に見ることができる。] [0039] 製品(例えばフィルム)を生じさせようとする時に本開示のPP/PIB混合物が縦方向(MD)および/または横方向(TD)に要する伸縮力は、ポリイソブチレンを含有しない他は同様な組成物から作られた製品が要するそれに比べて低い可能性がある。1つの態様において、本開示のPP/PIB混合物から作られた製品の伸縮力は、ポリイソブチレンを含有しない他は同様な組成物から作られた製品(例えばフィルム)のそれに比べて5%から200%または5%から100%または5%から20%低い。別の態様において、本開示のPP/PIB混合物から作られた製品の伸縮力は0.2MPaから10MPaまたは0.2MPaから5MPaまたは0.2MPaから2.0MPaの範囲である。] [0040] 本PP/PIBから作られた製品はまたポリイソブチレンを含有しない他は同様な組成物から作られた製品に比べてMDおよび/またはTDの収縮が低いことで分かるように向上した収縮も示し得る。収縮の計算は、最初に冷却時に起こるインフロー方向(収縮の差を測定する時にはMDと呼ぶ)の収縮の長さおよびクロスフロー方向(収縮の差を測定する時にはTDと呼ぶ)の収縮の長さを測定することを通して実施可能である。インフロー収縮とクロスフロー収縮の差に100%を掛けると収縮パーセントがもたらされる。1つの態様において、本PP/PIBから作られた製品が125℃で示す収縮は、ポリイソブチレンを含有しない他は同様な組成物から作られた製品(例えばフィルム)のそれに比べて10%から100%または20%から50%または25%から30%低い。別の態様において、本明細書に記述する種類のPP/PIBから作られた製品が125℃で示す収縮は、この製品の元々のサイズを基準にして0.5%から5%または1%から3%または1.5%から3%の範囲である。] [0041] 本PP/PIB混合物から作られた製品はまたポリイソブチレンを含有しない他は同様な組成物から作られた製品(例えばフィルム)に比べて向上した引張り特性、例えば破壊時引張り強度(また降伏/破壊強度とも呼ぶ)および引張り伸び(また降伏/破壊時伸びとも呼ぶ)も示し得る。破壊時引張り強度は、ある材料を破壊させるに要する単位面積当たりの力である。1つの態様において、本開示のPP/PIB混合物から作られた製品(例えばフィルム)が示す破壊時引張り強度は、ASTMD882に従って測定して、10kpsiから40kpsiまたは20kpsiから30kpsiまたは25kpsiから30kpsiの範囲である。引張り伸びは、ある材料が張力下で破壊するまでに生じた長さ増加パーセントである。1つの態様において、本開示のPP/PIB混合物から作られた製品(例えばフィルム)が示す破壊時引張り伸びは、ASTM D882に従って測定して、10%から200%まで50%から150%または70%から100%の範囲である。] [0042] 1つの態様において、PIBを組成物の総重量を基準にして1重量%から10重量%含有して成る本開示のPP/PIB混合物から作られた製品(例えばフィルム)が示す透過性は、ポリイソブチレンを含有しない他は同様な組成物から作られた製品(例えばフィルム)が示すそれに比べて高い可能性がある。例えば、PIBを組成物の総重量を基準にして1重量%から10重量%含有して成るPP/PIB混合物から作られたフィルムは、向上した酸素透過速度(OTR)を示す可能性がある。1つの態様において、PIBを組成物の総重量を基準にして10重量%以上含有して成るPP/PIB混合物から作られた製品(例えばフィルム)が示す透過性は、ポリイソブチレンを含有しない他は同様な組成物から作られた製品(例えばフィルム)が示すそれに比べて低い(バリヤー特性が向上している)可能性がある。例えば、PIBを10重量%以上含有して成るPP/PIB混合物から作られたフィルムは低下した酸素透過速度を示す可能性がある。] [0043] OTRは、酸素ガスが特定の温度および相対湿度条件下でフィルムを透過する定常状態の速度である。OTRの測定は、フィルムの片側を酸素雰囲気にさらすことを通して実施可能である。その酸素がフィルムの中に溶解しそしてその材料を透過するにつれて、窒素が前記フィルムの反対側から掃き出されそしてその透過してきた酸素分子が電量感知器に輸送される。その値を透過速度として報告する。この速度に当該材料の平均厚を掛けることでもたらされる結果が透過率であると見なす。1つの態様において、PIBを組成物の総重量を基準にして1重量%から10重量%含有して成る本開示のPP/PIB混合物から作られたフィルムが示す酸素透過速度は、ASTMD3895に従って測定して、100度Fの時に20から200cc/100平方インチ/24時間または100度Fの時に100から180cc/100平方インチ/24時間または100度Fの時に130から180cc/100平方インチ/24時間である。] [0044] 加うるに、PIBを組成物の総重量を基準にして1重量%から10重量%含有して成る本開示のPP/PIB混合物から作られた製品(例えばフィルム)が示す水蒸気透過速度(WVTR)は、ポリイソブチレンを含有しない他は同様な組成物から作られた製品(例えばフィルム)が示すそれに比べて高い可能性がある。別法として、PIBを組成物の総重量を基準にして10重量%以上含有して成るPP/PIB混合物から作られた本開示の製品(例えばフィルム)が示す水蒸気透過速度(WVTR)は、ポリイソブチレンを含有しない他は同様な組成物から作られた製品(例えばフィルム)が示すそれに比べて低い可能性がある。WVTRは、水蒸気が特定の温度および相対湿度条件下でフィルムを透過する定常状態の速度である。WVTRの測定は、あるフィルムの片側を乾燥した流れ(低い水蒸気圧を有する)にさらしそしてもう一方の側を湿った流れにさらすことを通して実施可能である。そのフィルムの両側の間の分圧差によって水蒸気がフィルムを透過して湿った側から乾燥した側に行く推進力が作り出される。OTRと同様に、乾燥した側の水蒸気を感知器で検出し、そしてその値を透過速度として報告する。1つの態様において、PIBを組成物の総重量を基準にして1重量%から10重量%含有して成るPP/PIB混合物から作られた製品(例えばフィルム)が示す水蒸気透過速度は、ASTMF1249に従って測定して、100度Fで相対湿度が100%の時に0.1から1.0g/100平方インチ/24時間または100度Fで相対湿度が100%の時に0.2から0.7g/100平方インチ/24時間または100度Fで相対湿度が100%の時に0.2から0.6g/100平方インチ/24時間であり得る。] [0045] 本開示の製品(例えばフィルム)は、また、ポリイソブチレンを含有しない他は同様な組成物から作られた製品(例えばフィルム)が示すそれに比べて匹敵する光学特性も示し得る。ヘイズ値はある製品(例えばフィルム)が低下した透明度または曇度を示す度合を示す一方で光沢値はフィルム表面の相対的艶または輝きの尺度である。1つの態様において、本開示の製品(例えばフィルム)が示すヘイズパーセントは、これに引き伸ばしを130℃から155℃の範囲の温度で受けさせた時、ASTMD1003に従って測定し て、0.1%から5%または0.2%から2%または0.2%から0.5%であり、そして45゜の光沢は、本製品に引き伸ばしを130℃から155℃の範囲の温度で受けさせた時、ASTM D523に従って測定して、60%から100%または70%から90%または80%から90%である。] [0046] 1つの態様において、本開示のPP/PIB混合物から作られた製品(例えばフィルム)の色は、ポリイソブチレンを含有しない他は同様な組成物から作られた製品(例えばフィルム)のそれに匹敵し得る。一般に、例えばBOPPフィルムは若干黄色の色を有する傾向がある。黄色度は、ASTMD1925に従って測定した時の黄色指数で測定可能である。1つの態様において、本開示の製品(例えばフィルム)が示す黄色指数は−2から10または1から5または0から1である。] [0047] 本開示のPP/PIB混合物は適切な方法のいずれかを用いて最終使用製品に変換可能である。1つの態様において、そのような変換はプラスチック成形方法、例えば通常の当業者に公知の方法などである。本重合混合物から成形可能な最終使用製品の例には、食品包装材、事務用品、プラスチック木材、代用木材、パティオデッキ材、構造支柱、積層床材組成物、高分子発泡基質、装飾面(即ちクラウンモールディングなど)、耐候性屋外材料、店頭標識および表示、家庭用品および消費財、建物用断熱材、化粧品包装材、屋外代用材料、蓋および容器(即ち調理済み食品、果物、キャンディーおよびクッキー用)、電気器具、台所用品、電子部品、自動車部品、囲い、保護ヘッドギア、再使用可能ペイントボール、玩具(例えばレゴブロック)、楽器、ゴルフクラブヘッド、配管、業務機器および電話構成要素、シャワーヘッド、ドアハンドル、蛇口ハンドル、ホイールカバー、自動車フロントグリルなどが含まれる。追加的最終使用製品は当業者に明らかであろう。] [0048] 本開示のPP/PIB混合物から作られたフィルムが要する伸縮力がより低いことは、エネルギー消費量がより低くかつライン速度をより速くすることができると解釈することができるであろう。本開示の製品(例えばフィルム)はまた向上した収縮も示し得ると同時に他の特性(例えばヘイズ値)に関してはポリイソブチレンを含有しない他は同様な組成物から作られたフィルムが示す値に匹敵した値を維持し得る。] [0049] 本開示を一般的に記述してきたが、本発明の実施および利点を立証する目的で以下の実施例を本開示の特別な態様として示す。本実施例は例示として示すものであり、決して以下の請求項の明細事項を限定することを意図するものでないと理解する。] [0050] PPホモ重合体またはPP/PIB混合物のいずれかから生じさせたフィルムが示す溶融流れ速度および柔軟性を調査して比較した。Total Petrochemicals USA,Inc.から商業的に入手可能なポリプロピレンホモ重合体であるTotal Petrochemicals 3365を用いてポリプロピレンサンプル(サンプル1)の調製を実施した。3365にINDOPOL H−100(即ちPIB)を2.4重量%混合することでPP/PIB混合物(サンプル2)の調製を実施した。前記PP/PIB混合物を押出し加工そして流し込み成形することで16ミルのシートを生じさせた後、それに引き伸ばしをBrueckner引き伸ばし機[Brueckner(Siegsdorf、ドイツ)が製造した実験室用引き伸ばし機]を用いて受けさせた。サンプル1に再押出し加工をサンプル2で用いた条件と同じ条件下で受けさせた。サンプル1および2を用いて生じさせたシートに二軸延伸を140、145、150、155、160℃で面積延伸比が66になるようにMDおよびTD両方の速度を30m/分にし、予熱時間を30秒間にしかつクリップ温度を100℃にして受けさせた。] [0051] 両方のサンプルが示す溶融流れ速度を測定した。3365が示した溶融流れ速度は3.7g/10分であった。PIBを2.4重量%存在させることで3365溶融物を希釈すると、そのようなPP/PIB混合物が示す溶融流れ速度が3.7から4.7g/10分にまで高くなった。前記PP/PIB混合物はまた3365(サンプル1)に比べて若干低い再結晶化温度および結晶化度も示した。最後に、サンプル1の再押出し加工を行うとそれの色が0.5から4.7(色b)にまで濃くなり、3365/PIB混合物(サンプル2)を押出し加工することでもたらされた色は基礎樹脂を再押出し加工した時の色と同様であった。その結果もまた表4に示す。] [0052] ] [0053] 更に、実施例1に示したサンプルの両方が示す柔軟性も調査した。実施例1で得た両方のシートに引き伸ばしを135℃の開始温度で受けさせた。両方のシートとも135℃では引き伸ばすことができなかった。理論で範囲を限定することを望むものでないが、前記サンプルは伝熱が理由で長時間要するか或は温度をより高く必要があることが理由で引き伸ばすことができなかった可能性がある。] [0054] Brueckner引き伸ばし実験を両方のシートに関して繰り返した。140℃から160℃にするとそれらは成功裏に引き伸ばされたが、165℃にすると引き伸ばすことができなかった。このような実験により、PIBを2.4重量%添加しても3365の加工ウィンドウが狭くなることも変化することもないことが分かった。また、延伸応力も調査し、両方のサンプルが示した降伏応力を温度の関数として図1にプロットした。図1を参照して、PIBを3365に混合すると降伏応力が低くなったが、この傾向は温度をより低くするとより明瞭に観察された。例えば、PIBを2.4重量%添加すると140℃における伸縮力が10%低下した。] 図1 [0055] また、140℃および160℃における縦方向の伸縮力も時間の関数として図2および3にプロットした。前記フィルムに縦方向および横方向の引き伸ばしを同時に30m/分の一定速度で受けさせたことから、引き伸ばし時間軸を歪みに変換することができた。図2を参照して、両方のサンプルが140℃で示す固有の降伏点(最大点に続く歪み軟化として定義)を観察した。前記PP/PIB混合物が降伏に要する伸縮力の方が3365が要するそれに比べて低いことが分かった。歪み軟化後、引き伸ばし応力は時間(歪み)、即ち歪み硬化に伴って高くなったが、その理由は、歪みが大きいと重合体鎖が有意に配向することによるものである。一般に、両方のサンプルとも同様な引き伸ばし傾向を示した。] 図2 [0056] 温度をより高くして160℃にすると前記サンプルの引き伸ばしがより容易になることで、降伏応力がより低くなった。図3を参照して、いずれのサンプルも固有の降伏点を明瞭には示さない。サンプル1(即ち3365)が示した引き伸ばし応力は経時的に高くなったが、これは鎖の配向に起因し得る。逆に、サンプル2(即ちPP/PIB混合物)が示した引き伸ばし応力は比較的安定したレベルのままであった。そのように引き伸ばし応力が安定したままである傾向は、サンプル2が160℃の時に充分な引き伸ばし配向を達成しなかったことを示していた。理論で範囲を限定することを望むものでないが、PIBがPP/PIB混合物中で可塑剤として働くことでポリプロピレン鎖間の摩擦力を特に温度が高い時に弱める可能性がある。前記PP/PIB混合物に引き伸ばしを160℃で受けさせると、PIBによる可塑化が理由で、鎖が配向を起こすのではなくむしろ互いに滑る可能性がある。] 図3 [0057] 実施例1で得たサンプルに関して45゜の光沢およびヘイズパーセントを調査した。図4は、45゜の光沢をフィルムサンプルを製造した温度の関数としてプロットした図である。示すように、PIBを2.4重量%添加した時に45゜の光沢が受ける影響は比較的小さかった。図5は、ヘイズパーセントを温度の関数としてプロットした図である。図5を参照して、ヘイズパーセントは両方のサンプルとも140および145℃の時に0.5%であり、150℃にすると4%にまで高くなり、そして次に155および160℃にすると低下した。このような結果は、前記PP/PIB混合物のフィルムが示す光学特性は混ぜ物無しポリプロピレンフィルムが示すそれに匹敵していることを示している。] 図4 図5 [0058] PIBがサンプルの色に対して示す影響をハンター比色計を用いて調査した。ハンター比色計には、色の測定値を可視的にほぼ均一な単位で与える反対色スケールが用いられている。このように、ハンタースケールの場合、Lで明度を測定し、その幅は、それを目で評価した場合とほぼ同様に、完全に白色の場合の100から黒色の場合のゼロである。色度寸法(aおよびb)によって下記のように理解可能な色表示が得られる: a:正の時には赤色に測定され、ゼロの時には灰色に測定されそして負の時には緑色に測定される b:正の時には黄色に測定され、ゼロの時には灰色に測定されそして負の時には青色に測定される。] [0059] 加うるに、ハンター比色計では黄色指数、即ちYIも測定する。可視的に黄色は光、化学品接触および加工による焼け、汚れおよび一般的生成物劣化に関連している。黄色指数は主にそのような種類の劣化を測定する目的で用いられる。黄色指数の計算をハンター比色計をASTM方法E313に従って用いることで行う。実施例1で得た3365およびPP/PIB混合物の両方がいろいろな温度で示す色を測定して表5に示す。] [0060] ] [0061] 全体として、両方のフィルムの色は特に温度をより高くした時に同様である。温度を低くして140から145℃にした時にはPP/PIB混合物のフィルムが示した黄色の方が若干深かった。] [0062] 実施例1で得た両方のサンプルが示すバリヤー特性、特に酸素透過速度(OTR)および水蒸気透過速度(WVTR)を145℃で作成したフィルムサンプルに関して調査した。また、両方のサンプルに関して引張り試験も実施した。その結果を表6に示す。] [0063] ] [0064] 表6を参照して、PIB量が2.4重量%のPP/PIB混合物が示したWVTRおよびOTRの方がポリプロピレンホモ重合体である3365が示したそれよりも若干高かった。両方のサンプルが示した降伏/破壊強度は同様であったが、PP/PIBサンプルが示した破壊時伸びの方が3365が示したそれよりも高かった。加うるに、PP/PIB混合物が示した収縮はMDおよびTDの両方ともポリプロピレンホモ重合体である3365が示したそれよりも低かった。] [0065] PIBを15重量%含有させたポリプロピレンのキャストフィルムが示した酸素透過度および水透過度は50%−70%低く、それらが示したバリヤー特性は有意に向上していた。PIBをより多い量で存在させても二軸配向ポリプロピレンフィルムは同様なバリヤー利点を示すと期待する。理論で範囲を限定することを望むものでないが、PIBのバックボーンが有する2個のメチル側基が対称的であることから温度がこれのTgより高くなっても非晶質の重合体鎖が互いに密に接着したままであり得、その結果としてこれは固有の気体不透過性を示す可能性がある。PPフィルムの場合には非晶質相が気体透過のため の通路を形成する。PIBを混合する量が少量であるとPIBによるバリヤー改善度がPP結晶化度の低下によって低くなる可能性がある。しかしながら、存在させるPIBの濃度を高くするとPIB成分が示す優れたバリヤー特性の方がPP結晶度の低下よりも優勢になることでBOPPフィルムのバリヤー特性が改善される可能性がある。] [0066] いろいろな態様を示して記述してきたが、当業者は本開示の精神および教示から逸脱することなくそれらの修飾を行うことができるであろう。本明細書に記述する態様は単に例示であり、限定を意図するものでない。本明細書に開示した主題事項のいろいろな変形および修飾が可能であり、それらは本開示の範囲内である。数値の範囲または限界を明らかに記述する場合、そのように明示する範囲または限界はその明確に記述した範囲または限界の範囲内に入る同様な大きさの逐次範囲または限界を包含すると理解されるべきである(例えば約1から約10は2、3、4などを包含、0.10以上は0.11、0.12、0.13などを包含、等々)。例えば、下限RLおよび上限RUを有する数値範囲を開示する時にはいつでも、その範囲内に入る如何なる数も具体的に開示するものである。特に、その範囲内に入る下記の数値を具体的に開示するものである:R=RL+k*(RU−RL)[ここで、kは1パーセントの増分を伴う1パーセントから100パーセントの範囲の変数である、即ちkは1パーセント、2パーセント、3パーセント、4パーセント、5パーセント.....、50パーセント、51パーセント、52パーセント.....、95パーセント、96パーセント、97パーセント、98パーセント、99パーセントまたは100パーセントである]。その上、また、この上で定義した如き2個のR数で限定される如何なる数値範囲も具体的に開示するものである。用語「場合により」をある請求項のいずれかの要素に関して用いる場合、その主題要素が必要であるか或は必要でないことを意味することを意図する。両方の可能性ともその請求項の範囲内であることを意図する。より幅広い用語、例えば含んで成る、包含する、有するなどの使用は、より狭い用語、例えばから成る、本質的にから成る、実質的に構成されるなどを支援するものであると理解されるべきである。] [0067] 従って、この上で行った説明で保護の範囲を限定するものでなく、以下の請求項によってのみ限定し、その範囲は本請求項の主題事項の相当物の全部を包含する。請求項の各々および全てを本発明の態様として本明細書に組み入れる。このように、本請求項はさらなる説明であり、本発明の態様への追加である。[背景技術]に示した引用文献の考察は、それが本発明に対する従来技術であることを認めるものでなく、特に公開日付が本出願の優先日の後であり得る如何なる文献も本発明に対する従来技術であることを認めるものでない。本明細書に引用したあらゆる特許、特許出願および公開の開示は、それらが本明細書に示す例、手順または他の詳細を補足するそれらを与える度合で引用することによって本明細書に組み入れられる。]
权利要求:
請求項1 ポリプロピレンとポリイソブチレンの混合物から作られたフィルムであって、ポリイソブチレンが存在しない他は同様に作られたフィルムに比べて伸縮力が約5%から200%低下しているフィルム。 請求項2 前記ポリプロピレンがポリプロピレンホモ重合体、高結晶度のポリプロピレンまたはこれらの組み合わせを含んで成る請求項1記載のフィルム。 請求項3 前記高結晶度のポリプロピレンが示すメソペンタドパーセントが97%以上である請求項2記載のフィルム。 請求項4 キシレン可溶画分が1.5%未満である請求項2記載のフィルム。 請求項5 前記ポリイソブチレンの数平均分子量が500ダルトンから50,000ダルトンである請求項1記載のフィルム。 請求項6 前記ポリイソブチレンが示す多分散指数が1.1から5.0である請求項1記載のフィルム。 請求項7 前記ポリプロピレンが前記混合物中に前記混合物の総重量を基準にして60重量%から99重量%の量で存在しかつ前記ポリイソブチレンが前記混合物中に前記混合物の総重量を基準にして1重量%から40重量%の量で存在する請求項1記載のフィルム。 請求項8 前記ポリプロピレンが前記混合物中に前記混合物の総重量を基準にして60重量%から99重量%の量で存在しかつ前記ポリイソブチレンが前記混合物中に1重量%から10重量%の量で存在しかつ前記混合物の残りが添加剤を含有して成る請求項1記載のフィルム。 請求項9 前記ポリプロピレンが前記混合物中に前記混合物の総重量を基準にして60重量%から99重量%の量で存在しかつ前記ポリイソブチレンが10重量%以上の量で存在する請求項1記載のフィルム。 請求項10 請求項1記載のフィルムから作られた製品。 請求項11 更に包装用容器を構成している請求項10記載の製品。 請求項12 10kpsiから40kpsiの破壊時引張り強度を示す請求項1記載のフィルム。 請求項13 10%から200%の破壊時引張り伸びを示す請求項1記載のフィルム。 請求項14 0.1%から5%のヘイズパーセントを示す請求項1記載のフィルム。 請求項15 60%から100%の45゜光沢値を示す請求項1記載のフィルム。 請求項16 −2から10の黄色指数を示す請求項1記載のフィルム。 請求項17 ポリイソブチレンが存在しない他は同様に作られたフィルムに比べて透過性が向上している請求項8記載のフィルム。 請求項18 ポリイソブチレンが存在しない他は同様に作られたフィルムに比べて透過性が低下している請求項9記載のフィルム。 請求項19 20から200cc/平方インチ/24時間の酸素透過速度を示す請求項8記載のフィルム。 請求項20 0.1から1.0g/100平方インチ/24時間の水蒸気透過速度を示す請求項8記載のフィルム。 請求項21 フィルム製造方法であって、ポリプロピレンとポリイソブチレンを接触させることで重合体混合物を生じさせ、前記重合体混合物を成形してフィルムを生じさせ、そして前記フィルムを配向させる、ことを含んで成る方法。
类似技术:
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